不思議で怖い話

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ボラ

2025/02/06

子供の頃、ベッドに40~70cmの生きたボラが落ちていた。
一人っ子なんでこんな悪戯する奴は家にいなかった。
じーちゃんがつまらそうな顔して粛々と捨ててた。

大人になって新宿ビル街の都庁前あたりを歩いていたら、
唐突に上から大きな魚が降ってきて、アスファルトの上でビタビタあばれていた。
ボラだった。周りはどうせトラックの落とし物と思うのか、関心を寄せる人は皆無だった。
ボラは後続車にひかれて体の半分が潰れた。
誰もがスルーしてるなか、一人のフツーっぽいサラリーマンがひょいとそれをぶら下げて、ゆっくりとした足取りで去っていった。

オヤジになって、やや死のうかなって思いながら川面を眺めてたら、体の半分が潰れたボラが、悠然と泳ぎ去っていった。

ジジイの域になって釣りしてたら、外道のボラがかかってしまった。
海面からボラを上げたあたりで急に貧血のようになり、気づいたら釣り座に横たわって寝ていた。
ボラを頭から丸かじりにして口から魚体をはみ出させる形だった。
意識が戻ったときにはボラは完全に死んでいたから、たぶん意識の無かったのは5分か10分くらい。

長い年月の間の出来事だから、偶然が重なっただけだとは思うけど、気持ちが悪い。
もう魚を食う気がしなくなった。シラスしか食えない。煮干し以上の大きさの魚は怖い。
つい最近、西新宿公演の中で、ボロボロの大きな血まみれの魚を下げた男とすれ違った。
男の服装も変で、結構本格的な神社の神官みたいな恰好をしていた。

なんなんだよもう。
魚、世界から消えてくれ。

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