不思議で怖い話

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何かの怒り?

2019/05/20

おはようさん。京都の愛宕山方面でキャンプしたときの話をば。
学生のときです。
夏の終わり、下手したら尻の穴舐められるくらい仲の良い友人(オス)二人と、
二泊三日のキャンプへ行きました。
人里はなれた山奥、地主の許可無しでは入れない山でもありましたので、
(俺は地主じゃないよ)
本当に男三人きり、時間が進むにつれテンションもあがり、
ついみんな飲みすぎてしまいました。
しまいには三人とも「裸族!」とか言いながら全裸で過ごす始末です。
今思えば、これが何かの怒りをかったのかもしれません。
事件は二日目の晩飯時に起こりました。
三人の中で料理ができるのが俺だけでしたので、飯は俺が作ります。
その日はすき焼きでした。
肉を焼いたところで料理酒がないことに気付き、
俺は真っ裸でハンモックに揺られるAに、
「取って来て」と言ったんですが、Aは「嫌や」と言います。
ここで断っておきますが、Aは普段異常なほど気のいいやつで、
常のAならまず持ってきてくれたはずです。
俺は「機嫌でも悪いのかな」と思いながら、
テントのクーラーボックスまで料理酒を取りに行きました。
距離にして5m、時間にして20秒くらいです。
テントではBが寝ていました。
帰ってきて驚きました。
鍋の肉がきれいに無くなっていたのです。
俺はなぜかAが食ったと確信し、Aに詰め寄りました。
少し考えれば分かるのですが、火にかかったままのアツアツの牛肉を、
しかも学生三人分ですから結構な量です、
それを20秒足らずで平らげられるわけがありません。
さらにAはいいやつです。
そんな卑しい真似はするはず無いのです。
「お前が食うたんか」
Aは何のことか解らないという顔で俺を見返します。
当然です。
事実Aに食えるはずがありません。
「肉なくなっとるやないか」
激昂する俺に対し、Aはニヤニヤ笑いながら「知るか」と言いました。
俺は普段のAからかけ離れたこの態度でさらに激昂し、
こいつ殺してやろうかとまで思いました。
またまた断っておきますが、この時の俺は明らかに異常で、
自分自身、感情が一人歩きしているのを感じていました。
肉ごときで何を怒ってるんやと、ボ~っと考えていたのを憶えています。
(ちなみに俺はシラフでした。元々飲めないのです。
ついでに告白すると、シラフで裸族は俺だけです)
おれは舌が回らずに不明瞭な言葉でAを怒鳴りつけ、
AはAでニヤニヤ笑いながら「ハァ」とか「ヘェ」を繰り返します。
ここでBがこなかったら、
俺はそのへんの石でAを殴り殺していたかもしれません。
Bは「どないしたんや」と半ば怒鳴りましたが、
その時の俺にはどうでもよく、Aも無関心な様子でした。
俺は最早勝手に口が動くような状態で、
何を言っているのか自分でも分かりませんでした。
本格的に意識が遠のいて行き、
気が付けば服を着てポリタンクを持ったBが目の前に立っていました。
ここからはBから聞いた話です。
何かわめき声がするのでBが見にきてみると、
裸の凄い人相のおっさん二人がわめきちらしていたそうです。
Bによると、俺は「縦になるんじゃないか」と思うほど目が釣り上がり、
Aは口の端が裂けそうな勢いでニヤニヤしていたそうです。
とにかく「こらあかん」と思い、
テントに戻り服を着て、俺とAに水をぶっかけたそうです。
結局、予定を繰り上げその日に下山しましたが、
帰りの車でBは、「人間の顔じゃなかった」と言っていました。
以来三人のつきあいは続いていますが、
とりあえずキャンプで全裸になるのは止めました。
皆さんもお気をつけを。

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