不思議で怖い話

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心霊トンネルのオジサン

2025/05/29

高校生だった頃の話。

当時、俺はアパートで一人暮らしをしていた。
一人暮らしといっても、三食は母さんとこに帰ってご飯を食べた。
受験勉強のための勉強部屋といった感じです。
家が狭かったから、わざわざアパートを借りていたのね。
勉強部屋→飯→学校→部活→塾→飯→勉強部屋といった一日です。
勉強のし過ぎとプレッシャーで頭がおかしくなって、夜徘徊することが多くなった。
コンビニとかアダルトショップとかを覚えるようになる。
これじゃいけないと思い、じゃあランニングにしようと切り替えて
夜中一人でよく走ったんですよ。そうでもしないと神経が休まなかった。
しかし、それがまずかった。
隣町まで山を越えてトンネルをくぐったと姉に自慢したら、姉が険しい顔になり、
そこはどこなのかとしきりに聞いてきた。

あの県道通ってあそこ行ってと事細かく説明したら、
姉「そこは出る所で有名だよ。」
などと言う。オカルト好きの姉のことだから、と気にすることもなく俺のランニングは続く。
ある日いつものトンネルを抜けると、初めて反対側から歩いてくる人に会った。
その翌日も同じような人に会った。
体動かして楽しいから全く気にしていなかったんだけど、とうとう向こうから話しかけて来た。
オジサン「趣味ですか?」
俺「ええ!そうです。」
オジサン「ははは、同じです」
みたいな会話ともつかない、一言だけ交わした内容だったと思う。
その日を境に、よくそのオジサンと会うようになった。
オジサン「精が出ますねぇ?」
俺「いやいやw」
相変わらず、会釈するぐらいの関係。

何度か会ううちに、さすがにおかしいなと感じた。夜中だしね。
そう思い続けながら走っているといつものトンネルに着く。
オジサンもいた。会釈を終え、トンネルを潜り、下の道になると歩く。
いつもここで歩きながらクールダウンして、勉強部屋に帰っていた。
ただ今回はふと思い立ってしまい、まだ体力があるから山をもう一度登ってやろう!
と意気込んで逆走し始めたんだな。俺、高校生だったんだよ。
もちろん、トンネルをもう一度潜ることになる。

彼がいた。
トンネルの中にいた。
これは危ないぞ、と頭の中で信号が鳴ったが、ランニングってノッているときは
なかなか足を休めたくないんですよね。やり過ごすことに集中しようと意識した。
オジサン「今日は出ないと思いますよ」
俺「・・・?え?あ、そうですか。」

――、トンネルを抜けた頃合いで、その意味がわかってしまった。
振り向くと、オジサンはこちらに近づいて来たんだな。
全速力で帰ったよ。

彼は絶対この世の人だが、そこまでして霊に会いたいっていう人の気持ちが理解できなくて、
頭の整理ができない俺がいた。
ランニングはやめた。

勉強しろよってことだったんだろうな。

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