不思議で怖い話

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仏間にある仏壇

2025/02/18

俺がまだ小学生の時、毎年夏になると九州にある母方の実家に帰っていた。

そこでは父と弟と3人(母は既に他界)で布団を敷いて寝ていたのだが、隣の部屋が仏間になっていた。
普段は寝る部屋と仏間の間の襖は閉まっているのだけど、その日に限って襖が全開の状態だった。

俺はもともと寝つきが良くなくて、父と弟が寝息をたてはじめてからしばらく仰向けの状態でぼーっとしていた。
でもそのうちに凄い悪寒が襲ってきた。
俺は一瞬、自分はもう死ぬんじゃないかくらいに思っていたが、何の気無しに仏間の方を見たときに悪寒の理由を察した。

仏間にある仏壇の扉が開いていて、そこから黒い煙のような、靄のようなものが溢れ出ていた。
それはまだこちらの部屋には入ってきてはいないものの、それも時間の問題で俺は自分は連れて行かれると確信していた。
そのとき自分が金縛りの状態にあったのかどうかは覚えていない。ただ恐怖で動けなかったように思う。

もうそろそろこちらの部屋に黒いのが来るという時に、ふいに父が布団から這い出して仏間との間の襖を勢い良く閉めた。
助かったという安堵感で俺はその後すぐに寝てしまった。

起きたのは一番最後で、弟に訊いても何も知らないようで、父には「何の話や?」の一言で終わらされてしまった。
母方の爺さんとはあまり仲が良くなかったので訊くに訊けなかった。
というかあっちの方言が怖くて常に引いてた。

今となってはあの母方の爺さんも婆さんも死んで、家も廃墟になってしまってるらしいし、確かめることは出来ない。
奉られてるのは先祖なんだろうけど、大人しく寝てろよなと今にして思う。

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