不思議で怖い話

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疲労する旅館

2025/01/12

とある田舎町の旅館に若い男が泊まった。
古びた佇まいだが清掃も行き届き清潔な旅館だったそうだ。
だが、なんというか…雰囲気が重い感じがしたという。

男が案内された一室は奥まった場所で、窓が無かったが広く造りは寧ろいい部類だった。
町での用事と観光を済ませ、思ったよりも味がよい夕食を食堂で食べ大風呂に入る。
静かな旅館だったが意外と多くの人が泊まっていたので驚いた。
よく見ると他の客間にはそれなりの人が往来しているのがわかる。

彼の部屋がある建物は、彼の泊まっている部屋を覗けば離れた場所に数人が泊まっているだけ。
まぁ、隣室で騒がれたりトラブルがあるよりは静かでいい。
そう結論付けて彼は部屋に戻り、缶ビールを数本開けた後敷かれた大き目の布団に潜り込んだ。
深夜、眠りが浅くなって意識だけが起きた。
目は開いてないけど、意識だけが覚醒している中途半端な状態。

自分の上が何か重い。息のような声が聞こえる気がする。
布団の上に何か乗っかっているのではなく、直接自分の上に誰かが乗っている?
誰だこれは、泥棒か何かとは思えない。
ただ、甘い匂いとサラサラと気持ちがいい音が聞こえる。
下半身が冷たく重かったが、それが気にならない位の心地よさ。
男は再び眠りについた。

翌日、彼は自分だけで起き上がれない程に疲労していた。
布団を畳みに来た旅館の人に町医者に連れていって貰い点滴を打ってもらった。
料金はもう貰ったから帰りなさいと言われ、入り口で待っていた旅館の人にも御代は要らないと言われた。
後日、男がまたその旅館に泊まった時は別の部屋だった。何も異常は起きなかった。
ちらりとあの部屋がある廊下を覗いてみたら、やはり奥の部屋だけ灯りがついていたという。

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