不思議で怖い話

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佐世保市の廃屋

2023/05/16

俺が厨房になりたてのころくらい、家の近くの海(っつっても砂浜とかあるような海じゃない)に遊びに行ってて、岩場を歩いてたら廃屋っぽいのを見付けた。

そういうの大好きだった俺はすぐ近寄ってみた。
その家は海と道路際の間辺りに建ってて、道路側に玄関、海側に事務所とかの扉みたいなのがついた裏口があった。

で、その裏口から覗いてみた。なんかボロボロの靴が脱ぎ捨ててあって、玄関入ってから部屋までの廊下が長めで部屋の中はよく見えんかった。
鍵は開いてたけど人がいたらヤバイのでその日は帰った。

それから何回か行ったけど、その度に靴が増えたり減ったりしてて(でも履いて歩けるようなもんでは無いくらいボロい、つか履いてたような形跡がない)ちゃんと人が住んでるのかな、と思ったけど電気メーター?は最初来たときから一ヶ月近く経ってたけどそのままだった。

でも懲りずに何回か行った俺。
色々と調べ続けた結果、人はやっぱり住んでなさそうだった。
ある時期から靴も一足、ずっと定位置にあったし。

だから俺は侵入しようと、友達を一人連れて行った。いざ侵入しようとしたら…。
何故か鍵がかかってた。でも郵便受けやら色んなメーターは何も変わってない。

まあ人がいたらいたで、なんか言い訳を作っとけば大丈夫。
ベランダあるからそこから入れるかも、と俺はタコツボっぽいのを足場に、石造りのベランダに登った。友達はオドオドしてる。

ちなみにこの時は知らなかったけど、この友達は後に修学旅行で行った某ワールドのエイ○アンパニックで、俯いて泣きそうになりながら俺にしがみつきっぱなしだったくらい怖がり。

そして俺は二階のベランダに登った後、引き戸の窓から中を覗いてビビった。家具がそのままだった。
でもかなり埃被ってて人はいないって確信した。台所には黒く汚れた茶碗とかが異様に高く積まれてた。

気持ち悪いなあと思いながら引き戸を開けて一歩中に入った俺は鳥肌が立った。
部屋のちょっと凹んだとこに(書院造りってやつ?)ちょっと荒れた仏壇があった。
いきなり寒気がして上を見たら女の人の遺影?が俺を凝視してるかのように取り付けてあった。

ヤバイ予感がした俺は逃げようとして、でも「誰かいるならちゃんと閉めるはず」と念のため引き戸を微妙に開けてベランダから降りて、友達を連れて即逃げた。

それからしばらくして見に行ってみたら、引き戸は開いてた。
でもかなり怖かったのでもう行くことはなかった。

で、最近になってまた思い出したから弟連れて行ってみたら、誰かが買い取ったらしく、綺麗にリフォームされて人が住んでた。
結局あの家なんだったんだろ…。
誰もわからなそうだから晒すけど、長崎県佐世保市早岐でのささやかな実体験でした。

怖くないかも知れないけど、個人的にはかなり怖かった。オチなくてスマソ。

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