不思議で怖い話

不思議で怖い話

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もう少しだったのに

2022/01/18

俺が大学4年生の時だから今から4年前の話をする。ちょっと長いんだが暇つぶしにでも聞いてくれ。

当時俺は内定を貰い、単位も取り終わっていたのでものすごくだらけた生活を送っていた。週4で1日5時間のバイトとたまに友達と飲みに行ったりするくらい。

6月の下旬、両親がお通夜で不在だった日の夜1時頃の話。その日はものすごく暑かった。俺は札幌に住んでいるのだが北海道の6月の夜にこんな暑いのはちょっと珍しいってくらい暑かった。あまり汗をかかない俺がPCいじってるだけでじんわり汗をかいてしまうほど暑かった。

俺は実家暮らしなのだが俺の家にはリビングにもクーラーがない(北海道は夏が短いから持ってる家庭はそんな多くない)。当然俺の部屋にもない。そこで俺は窓をあけ両親もいなかったので部屋のドアも開けて風通しを良くしてyoutubeを見てた。

椅子にもたれかかってタバコに火をつける。その時急にPCの画面が真っ暗になった。熱暴走?と瞬時に思ったが右上のランプはついてるから電源が落ちたわけじゃない。

どうしたんだろうと思い電源ボタンに手を伸ばそうとする。
体が動かない。

金縛りの原因とされてる体の疲労とかそういうのも一切なく部屋の電気もついてる状態で俺は金縛りにあった
霊感がない俺は当然金縛りなんてはじめての体験。

まばたきもしてなかったんじゃないかと思うくらい体全体が全く動かない。頭の中がパニックになった瞬間今度は強烈な寒気が襲った。

その直後に俺は体が全く動かないままだが俺の背後にいる「なにか」の存在に気付いた。玄関を直進するとすぐ俺の部屋があるんだがドアを開けていればPCが玄関から見える。

ブラックアウトしてるPCの画面には玄関に立っている「なにか」をハッキリと映していた。それが男なのか女なのか、子どもなのか年寄りなのかすらわからない。ただ人型であることはわかった。

後ろを確認してそれが見間違いであることを確認してしまいたかったが相変わらず体は動かない。そうこうしている内にその「なにか」の身長が少し伸びたように感じた。けどすぐに身長が伸びたんじゃなく少しずつ近づいてきているんだと気付いた。

その「なにか」は靴が置いてあるところから一段上がっていた。ゆっくりとだが確実にそいつは俺に近づいている。顔は口しか見えないが髪が長いので女の子だったのかもしれない。その口は口角があがっていてうっすら笑っているように見えた。

そいつがついに部屋に入ってきた。画面に映るそいつは俺のすぐ後ろにいる。どうやら「なにか」はモニターの中にしかいないようだった。

なおも近づいてくる「なにか」は画面の中では俺の横に立っている。横にいるのなら俺の視界に少しでも入ってるはずなのにその姿は確認できなかった。

俺の横に立つ「なにか」はPCの画面の中で俺とPCの間に顔を入れて俺の顔を覗きこんでいる。俺の視界は相変わらずその何かは映さずPCの画面を映している。

一つ違うのは俺の顔はその「なにか」が遮っているのでモニターに映らなくなったという点。俺は強烈な寒気と恐怖を感じながら早く動いてくれ!とだけ願っていた。

そんな中右手の人差し指と中指に激痛が走る。
「あっつ!!!!」
ずっと持っていたタバコが俺の指に当たった。その瞬間動けることに気付いた。寒気も止まった。

ホントに何事もなかったかのようにPCはyoutubeでサンドウィッチマンのコントを流している。夢…?と思ったが夢じゃない。

youtubeの検索のところには打った覚えがない言葉
[もう少しだったのに]
と書かれていた

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