不思議で怖い話

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手に刃物を持って睨んでいる女

2021/03/04

私がよく使う歩行者用トンネルの話です。

そのトンネルは地下を通る長い道で出入り口は坂になっており、照明のつかない昼間だと中は薄暗く出入り口が不自然に明るい不気味な場所でした。

わたしがソレに遭遇した時も照明がつかない昼間でした。

タイル張りの道はこつこつと足音を響かせ、後ろに誰も居ないのが分かりました。やがて前方から白い服の女性がやって来て、そのいかにもな格好が怖くて堪らなかったのですが、ある程度近づくと顔も表情もはっきりしたのでひとまず安心しました。

ところが突然にこちらを凝視したかと思うと何かよく分からない言葉を叫んで、来た道を物凄い勢いで走り去っていったのです。なんだあれはと不愉快に思いつつも、わたしは後ろを振り向きました。

すると自分の真後ろに真っ黒な服を着た女が、手に刃物を持って、さっき走り去っていった出入り口の方を睨んでいたんです。

その女の顔が何より恐ろしいのは、表情は普通なのですが、眼の向け方ひとつで失神しそうになるくらいの怒りが込められている事でした。

私は急いで走りました。不自然なまでに明るい外は、あるいは天国のように思えたかもしれません。けれど、その長い道のりを思うと、不安になるばかりでいつ刺されるのかと恐怖に足を取られそうでした。

ただ、女は私を一目も見なかったと思います。

私はなんとか坂にまで辿り着き、急いで上がりました。先ほどまでは涼しさを通り越して寒気まであったのですが、息切れと暑さでだるいままにやっと安心できました。

ちなみに今もまだその道を利用していますが、以降遭遇した事はありません。

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