不思議で怖い話

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ずっと見守ってる

2021/01/10

当時、私は精神的に荒んでいて、よく大型バイクをかっ飛ばしたりしていました。

その日もバイクで走っていたのですが、広めの幹線道路は渋滞していました。そこで道の左端をすり抜けて進みました。それなりに運転技術もありましたし、どうなってもいいや、という部分があったので危険だと知りながら、それなりのスピードが出ていました。

そして渋滞している車が途切れている所へ来た時に対向車線から右折する車に右側から当てられました。かなりの衝撃でした。今にして思えば一瞬のことでしたが、妙なスローモーションを見ている様な感じで、バイクに乗ったまま私は電柱が正面に迫ってくるのが見えました。

その時、何か白いものが横から飛びかかってきて、私はそれに抱きつかれる様な感じでバイクから落ちて、道の脇にある歩道に転がりました。転がるのが止まって歩道に仰向けになっていると、その白いものは私の体から離れました。よくみると白い服を着た女の子でした。

その女の子は、ふぅ、とため息をつくと「あぶなかったね」と微笑みました。そしてスッと消えました。私が呆然としていると肩を軽く叩かれ耳元で「あまり無茶をしちゃダメよ」という声がしました。しかし振り返ってもそこに姿はありませんでした。

そうしているうちにぶつかった車の人が降りてきて、救急車が来て、病院に運ばれました。私は足に軽い打撲があっただけでほとんど無傷でした。事故の大きさと比べると奇跡的といっていいぐらいでした。バイクは電信柱にぶつかりグチャグチャに壊れていました。後に警察に事情聴取に行った時に警官に「よくバイクから飛び降りられたな、そのまま突っ込んで悲惨な事になる人が多いんだが」と言われました。

私は飛びついてきた白い服の女の子を知っています。三年ぐらい前に交通事故で亡くなった婚約者です。病院で息を引き取る時の最後の言葉「愛してる、ずっと見守ってる」その事が鮮明に思い出されました。実際のところ、私が見たのは幻覚なのかもしれません。でも事故の時に来ていた皮のジャケットが警察から戻ってきた時、歩道と擦れて毛羽立ってしまった傷だらけになった背中の部分に、細い腕と小さい手の形で無傷の部分がくっきりと残っていました。

彼女を失って自暴自棄になっていたのですが、ちゃんと前向きに生きなければと思います。

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