不思議で怖い話

不思議で怖い話

本文の文字サイズ

市松人形の怪

2020/08/25

押し入れに一体の市松人形が眠っていた。
厳重に包まれて桐の箱に大事そうに入っていおり
その為あって保存状態はすばらしく良かった。
長く黒い髪、白い肌、赤い蝶の刺繍が入った着物。
これは高く売れると質屋に持っていった。
質屋もその人形をたいそう気に入り
ガラス窓の一番目につく場所に飾った。

ある日、一人の少女が店の前を通りかかった。
少女はその人形を一目見て気に入り
すぐさま両親にねだって買ってもらった。
それからしばらくは少女の格好の遊び相手となった。
しかし少女も大きくなり
そんな人形があった事などすっかり忘れてしまい
中学入学の日ふと人形の事を思い出した。
やっとの思いで探し当てた人形は
かつての姿は微塵と無くそれはそれはみすぼらしかった。
髪はぼさぼさ、着物はすす汚れていて腕は割れていた。
しかしその割れた腕の隙間から
なにやら黒く細長いものが出ていた。
少女は気になりよく見てみるとそれは髪の毛だった。
何故髪の毛が?そう思って引っ張ってみると
するするするするどこまでもぬけていった。
さすがに奇妙に思いその人形を叩き割ってみたところ
中からミイラ化した1、2歳の赤子が
長い髪の毛に包まれ姿を現した。
少女は悲鳴をあげ倒れこんだ。

数日後、お寺に人形を持っていき供養してもらった。
それから数十年の月日が流れた。
その少女も今やすっかり年老いてしまい孫までいた。
たまたま遊びに来ていた孫は
押し入れの奥からなにやら箱を取り出してきた。
見たことも無い箱だった。
しかし孫が箱を開けた瞬間老婆は驚きを隠せなかった。
そう、確かにあの時寺で供養し焼き捨てたはずの人形が
新品同様な状態で眠っていた。
そんな驚きを知らず老婆の孫はその人形を気に入ったようだった
そして孫は老婆にせがむ。
「ねぇおばあちゃん、この人形私にちょうだい」

にほんブログ村 2ちゃんねるブログ 2ちゃんねる(オカルト・怖い話)へ

よろしければ応援お願いシマス

怖いコミック

  • 俺のワクチンだけがゾンビ化した世界を救える
  • 人類の大半がゾンビ化した世界で、ひきこもりの及川優は天才科学者のサニーと出会い、人類を救う力を手に入れた! しかし、なんとその方法は、セッ●スすることでゾンビを人間に戻すというも...
  • たちよみ

怖い映画作品

  • 怪奇蒐集者 安曇潤平
  • 「怪談」の原点に徹底的にこだわった実話怪談トークシリーズ第3弾「安曇潤平」編。この世の怪異を追い求め、それを紙面に残すことを生業とする怪談作家・安曇潤平。迷い込んだ日本家屋で...
  • 2014年 / 安曇潤平 蜃気楼龍玉

怖い作品

怖いキーワード