不思議で怖い話

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呪怨ボイス

2020/08/05

最近よくやるイタズラ。
俺の自宅兼事務所の電話には、
マンションなどのセールスの電話が掛かってきていた。
それもリストに載ってしまったせいか、
一日に10回以上なんてこともざらにあった。
自宅で仕事をしているため、これでは仕事にならない。
電話が掛かってきて、しつこく食い下がる業者を断る。
そして、その5分後に同じ会社の別の人間から
「今なら××お安くなってますよ」
なんてついさっき聞いたばかりの
マニュアルどおりのセールストークをかまされると、
さすがにただ断るだけでは生ぬるいと思ってしまうわけで、
ちょっとしたイタズラをしてやろうと思い立った。
まず『呪怨』のDVDを借りてきて音だけ録音する。
「…ア…ク…アァあアア…あァあア亜あアア」て
あの喉にタンが絡まったような声を録音。
そして掛かってきた電話が
いつもの低能マニュアル暗唱業者からだと確認すると、
受話器の口の部分に呪怨ボイスをエンドレスで流し続ける。
あとは受話器の音声を付属のイヤホンで抜いて、
業者の反応を楽しむ。
こちらの反応がないことに気付き、
マニュアル暗唱をやめた業者が
「○○さーん、もしもし?」
なんてこっちの反応をうかがうと
同時に聞こえる、あの気味の悪い声。
ヒッて短い悲鳴を上げて電話を切る女業者や、
野太い声の落ち着いた説明から
急にあせって受話器を置く業者、
さまざまな反応が楽しめた。
さすがに毎日はできないが、
ときどきこんな風にして業者と遊んでいると、
掛かってくる電話の本数はだいぶ減った。
そして昨日、
飯でも食おうかと思っているところに業者から電話、
久しぶりに呪怨爆弾をセット。
そのまま便所に行ってコーヒー淹れて仕事部屋に戻ってくる。
机の上の電話はまだ切れてない。
意外な気がした俺は
「気付かずに説明続けてたら笑えるな」
と思ってイヤホンを取り付けて耳に装着した。
「…ア…ク…アァあアア…あァあア亜あアア」
聞こえてきたのはあの呪怨ボイスだった。
俺は受話器を叩きつけ、電話のジャックを引き抜いた。

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