不思議で怖い話

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夜行列車

2019/07/02

5~6年前、出張で松江に行ったときのこと。
昔からブルートレインに乗ってみたいと思っていたので、
東京駅から夜行列車に乗った。
乗ったのはB寝台車で、
他の客とカーテンだけで区切るというもの。
隣や上段にどんな人が来るのか少し興味があった。
来たのは隣だけで、おじいさんだった。
軽く挨拶をかわし、ベッドメイクをしたり本を読んだり、
お互い自分の時間を過ごす。
夜11時頃、フリースペースと呼ばれる車両へ移った。
元々は食堂車だったけど今は営業していない。
適当に席に座ろうと思ったら、
あのおじいさんもここに来ていた。
目が合ったので、おじいさんのいる席に座った。
おじいさんはこの食堂が営業している頃からすでに常連のようで、
昔話を聞かせてくれた。
新しく出来た寝台列車も気に入ったけど、
この列車の方が愛着があるのだと。
日付が変わり、そろそろ寝ましょうということになり、ベッドに戻る。
翌日、松江に到着し、
降りる前に終点まで乗るおじいさんに一言お礼を言うと、
「こんなもんしないが…」
とアメをくれた。
昼食を食べた後にアメを舐めた。
アメは和紙に包まれて、アメ自体はカラフルで綺麗だった。
でも味が全くしなかった。
仕事が終わり、再び夜行列車で東京へ戻る。
この日は自分の隣にすでにお客さんが乗っていた。
同年代くらいの若い女性で、軽く会釈をかわす。
まさか若い女性が乗るとは思っていなかったので少し緊張。
今回もまたフリースペースへ行き、
駅で買った駅弁を食べつつ本を読む。
しばらく経ってから自分のベッドへ戻ると、
女性が自分と同じ本を読んでいた。
思わず
「一緒の本ですね」
なんて声をかけてしまったが、
女性も偶然の一致に驚いていた。
せっかくなので少しお話をしてみると、
女性は出雲へ旅行で来たようで、メインは出雲大社。
お互い波長が合うようで連絡先も交換した。
その後、その女性は彼女となり、今は奥さんに。
そして最近、妻があの味の無いアメを
出雲でおじいさんから貰っていたことを知り、
自分も貰ったと告げる。
お互い「不思議だね~」と言いつつ、
あのアメは運命の赤い糸的なもので、
おじいさんは縁結びの神様だという結論にしている。

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