不思議で怖い話

不思議で怖い話

本文の文字サイズ

哀しい先輩

2019/06/05

俺の職場での話。
俺の職場の先輩は面倒見がいいし、仕事もスゲーってほどじゃないけど確実で、
取引先からも指名で仕事が来たりする。
ただ、ちょっと困ったとこは、異様に家族のことを大切にしてること。
奥さんや娘さんのことを話し出すと止まらなくって、
休日明けなんかは家族と何をやった、
どこへ行ったってことを写真を見せびらかして話してる。
それだけならいいお父さんで済むんだけど、
問題は奥さんと娘さんが既に他界されてること。
それ以外は本当に頼りになる人で、仕事にも支障がないから、
みんな触らないようにして過ごしてる。
で、いつぞやの忘年会のこと。
その年は割とデカイ仕事が成功したこともあって、忘年会はかなり豪勢だった。
先輩もいつになく上機嫌で、普段は絶対にしない深酒をして、
終いには歩くどころか、いすに座ってるのもままならないことになってた。
そんな状態だから一人で帰すわけにもいかないけど、
先輩は家族が待ってるからと、帰ると言って聞かない。
しかたなく、社長命令で俺ともう一人の同僚が送って行くことになった。
同僚は下戸で車に乗って来ていたので、その車で先輩の家まで行くことになった。
(本当は同僚だけが送って行けと言われたのだけど、見捨てられず付いて行った)
先輩はどっから見ても酔い潰れてるってのに、
いつの間にか持ち帰りを頼んでて、それをしっかり抱えてたのを覚えてる。
先輩の家に着くと、当たり前なんだけど家の中は真っ暗。
いくらか回復してた先輩は、
「もう寝ちゃってるなー」
と言って笑った。
お茶くらい出すからと言うのを、とっくに日付も変わってるしと断っていると、
トタタタタタ ガチャ
玄関が開いた。
「なんだー、起きてたのか。お土産あるぞー」
と、どこか嬉しそうな先輩。
真っ暗な家に入っていく先輩に俺らは、それじゃと言って車に乗り込んだ。
車の中でガチガチ震えてる俺ら。
「……なあ、先輩は、何と住んでるんだ?」
今でも先輩は、誰も写ってない奥さんと娘さんの写真を見せてくれる。
ちなみに、奥さんが死んでるっていうのは、俺らも葬式に行ったから知ってる。
というより、社員全員が手伝いに行ったんだけど。

にほんブログ村 2ちゃんねるブログ 2ちゃんねる(オカルト・怖い話)へ

よろしければ応援お願いシマス

怖いコミック

  • 変な絵(コミック)
  • 【シリーズ累計120万部突破! 『変な家』の著者・雨穴の最高傑作を完全コミカライズ!】今野優太が保育園で描いた母の日のプレゼント用の絵。そこには、微笑む直美と優太、そして二人の住...
  • たちよみ

怖い映画作品

  • オーディション (ブルーレイディスク)
  • 村上龍の原作を三池崇史監督が映画化したカルトホラー。7年前に妻を亡くし、ひとり息子と暮らす青山を案じた友人は、再婚相手を探すオーディションを提案する。応募してきた麻美に青山は...
  • 2000年 / 石橋凌 椎名英姫 松田美由紀 大杉漣

怖い作品

怖いキーワード