不思議で怖い話

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侵入者

2019/05/26

私と兄(22)の部屋は隣り同士なんだけど、
私の部屋の床下が湿気でやられちゃってて、
しばらく兄の部屋で寝ることになった。
いつものように布団に横になっていると、ベッドの上の兄が、
「やめろよ、やめろってよ、殺すぞ」
と、布団の中で何かを払ってる。
私が
「どうしたの?」
と言うと、
「父さんが布団に入ってきた」
とキレそう。
私はぞっとした。
「待ってよ…お父さん帰ってきてないよ」
「あっ?じゃあ何だよ今の!!!!」
怖くなって思わず電気つけて、二人で今のことを話し合ってた。
兄が言うには、声とか匂いとかはなかったが、
てっきり父だと思い込んだという。
それに、そんな大胆なことするの父親ぐらいの親近者だけだと思うし、
汗で湿ったような体温がリアルだったそうだ。
しかし、確かに暑いから部屋のドアを開けてたけれど、
私は誰も入ってこなかったことを知ってるし、窓も閉まってる。
それに兄のベッドは↓の図のように壁からちょっと空いているから、
侵入者はそっちへ回りこんだことになる。
気味悪いが、もういいや寝ようということになり、
電気を消した途端、玄関が開く音。
「ただいま~」
と父の声だ。
父はこっちへ歩いてきて、入り口からひょっこり顔を出した。
「もう寝とんのか~」
酔っ払ってるのかヘラヘラしてる。
「道治(仮名)、鳥食わんか~寝とんのか~」
とか言いながら勝手に電気をつけた。
何かニコニコしてた。
顔が真っ赤だから酔ってるとわかる。
しかし壁際の私に気付くとギョッとして、
「なんでここにいるんだ?」
と怒鳴った。
床下が腐ってることを告げると、
不機嫌そうに「そうか、おやすみ」と去っていった。
兄の布団に潜り込んだ侵入者は、
あながち父でないとも言い切れないのかも。

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