不思議で怖い話

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ばーさんVS鹿

2019/05/11

ウチのばーさんは、
神奈川のある寺の参道脇で甘味屋をやっていた。
そのばーさんがまだちゃんと若かった時の話らしい。
その甘味屋には困った客が月一で来る。
鹿だ。
寺は山の中に在って、
その山からは今でも普通に鹿が降りてくる。
問題の鹿は決まった日時に来る訳ではないのだが、
大体月一で店の前にやって来ては、
店先にある土産物のタニシの佃煮をかっぱらっていったそうだ。
それに腹を立てたばーさんは、
今度来たらその鹿の尻でもひっ叩いてやろうと、
ホウキを玄関に置いて毎日を過ごしてた。
そんでもって鹿はその気配を察し切れずに、
夕方に普段通り佃煮を取りにきた。
ホウキを手に取り、鹿を追うばーさん。
袋詰めの佃煮をくわえ、
ばーさんから逃げる鹿。
一人と一頭は参道を駆け下りが、
麓の橋の手前でばーさんは鹿にまかれた。
まだ近くに居るかもと、
ばーさんは辺りを探してみると、
橋の近くにある神社の鳥居の内側に、
佃煮の袋が中身ごと捨ててあった。
ばーさんは袋を店頭に戻すか迷ったが、
鹿のヨダレまみれになっていたので、
お賽銭替わりに賽銭箱の上に置いていった。
次の月も鹿は来て、ばーさんは追った。
そしたら、また神社の中に捨ててあった。
もしやと思い神主さんに聞いてみると、
毎月鳥居の内側に佃煮が捨てられていたそうだ。
「鹿は多分、お賽銭替わりに佃煮を供えていったんだろうけど、
供えるんだったらウチの佃煮じゃなくて、
山の木の実にでもしてくれればいいのに」
と、ばーさんは笑ってこの話をしていた。

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