不思議で怖い話

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半透明のうさぎ

2019/01/14

去年の夏、飲み会の帰りに、大きい半透明のうさぎ(柴犬くらい)が、
私を追い抜いてピョンピョン跳ねていった。
酔ってたからか怖くはなく、
「あれーもしかして不思議の国のアリス的な?うふふ、うさぎさん待って~」
とか、むしろワクワクしながらアホみたいに追いかけていった。
そしたら、私が住んでるアパートの部屋のドアをすり抜けて入って行った。
慌てて鍵を開けて入ろうとしたら、
あれ?鍵開いてる。閉め忘れたか?
とりあえず中に入ると、リビングでうさぎがこっち振り返ってる。
私が部屋に入ったのを確認して、
今度は押し入れの襖の中に消えていった。
襖を開けるとうさぎはいなかった。
かわりに、見知らぬ男性が汗だくで寝ていたというか気絶していた。
気が動転して隣の部屋の女性に助けを求めて、
要領を得ないながらもうさぎのことも含めて何とか説明した。
女性が警察やら救急車やら手配してくれて、警察に事情を聞かれる前に、
「うさぎのことは言わない方がいいかも」
と言ってくれた。
警察には、家に帰ったら鍵が開いてて、
押し入れに知らない男の人がいた、とだけ言った。
後日、警察の人が、
あの男の人は私が仕事から帰る時間を以前からチェックしていて、
その少し前に鍵を壊して部屋に忍び込み、押し入れに隠れていたが、
熱中症になって気を失っていた。
救急車を呼ぶのがもう少し遅かったら
命に関わっていたかも、と教えてくれた。
やっぱり怖いので、実家に戻って暮らすことにした。
会社からは遠くなったけど。
あの日、私が帰るのが遅れて、
男性が亡くなっていたらもっと厄介なことになってたかも。
大きなうさぎはそれを教えてくれたのかわからないけど、
それから一度も見ていない。

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