不思議で怖い話

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死体遭遇伝説

2018/11/28

会社の同僚に三十代のねーちゃん(以下A)がいる。
丸っこいオタク風で、短気。かなり変。
正直苦手だけど、仕事で一緒に外回りする事になって、
他の同僚から耳打ちされた。
Aは嘘つきで、信じるなという話。
『死体とよく遭遇する』
『自称霊感アリ』
だとか言うらしい。
「気持ち悪い女」
「だから独身なんだよ」
とか散々に言う。
一緒に外回りすることになって、
生真面目で短気なのは間違いないけど、
霊感云々は聞いた事は無かった。
先週、朝の出社時に信号待ちのAと遭遇。
Aはいつも通る新道じゃなくて、
違う旧道に行こうとしていた。
「おはようございます」
と声をかけたら、
軽く返事を返されたけど、
なんか上の空っぽい。
大丈夫かと思いつつ、Aの向かう先を見ると、
信号の向こうに黒い影が立っているのが見えた。
目の錯覚かと思って焦ってまぶたを擦るけど、
やっぱり黒い影がいる。
朝から初の心霊体験か!とドキドキしつつ、
信号が変わってAがふらふら自転車とこぎだす。
そのAの肩からも何か黒い影が重なって見える。
なぜだかぞくぞくして、気になってAの後をつけた。
どうせ会社は同じだし、
旧道も新道も同じ場所に繋がってる。
信号の向こう側にいた黒い影が
一定の距離を置いてAの先にいるのが見えた。
手招きしているみたい。
わざわざ往来の激しい道路を横断して、
一方向へと向かう。
黒い影の手招き通りに。
気持ち悪過ぎて、Aに声にかける事にした。
「Aさん、新道に向かいましょうよ。今日、車多いし」
「でもこっちに行きたい気分なの」
「遅刻しちゃいますよ」
実際車がよく出て来る道で、
その日に限ってやたらと車が来る。
で、遅刻しそうなのも本当だったので、
急いで新道にAさんも連れて入った。
Aさんが何回も振り返る先には、
あの黒い影がいて呼ばれてるのかもと怖くなった。
でもマジで怖くなったのは、会社に着いてから。
パトカーとかバンバン走ってるから、
何事かと同僚に聞いてみた。
旧道で死体が見つかったらしい。
しかもAさんが通ろうとした区間で。
俺が止めなきゃAさんの死体遭遇伝説が増えてた。
死体に遭遇しやすいって
本当かも知れないとちょっと思いはじめて、一昨日。
外回りの昼休み中にAが自動販売機を探していたんだけど、
自動販売機を目の前にしていたのに突然あらぬ方に歩きだした。
あれ?とよく見ると、
黒い影がやっぱりAの少し先にいる。
手招きしてた。
Aがどんどん歩いていくので、
慌てて追い掛けてアパートの二階へと上がってくのを発見。
黒い影がすっとある部屋に入って行くのが見えて、
怖くなった。
間違いなく幽霊?
霊って昼間も見えるんだとか思いながらAに話し掛けた。
「Aさん、どうしました?友達の家?」
仕事中ですよと言ったけど、
その部屋をじっと見てた。
「いい加減にしてください」
怒るとAは
「ごめんね」
と謝ってきた。
「知り合いの家がこの辺りだと思って探したの」
とか言う。
それで大人しく外回り続けたんだけど、
昨日、そこら辺のアパートで孤独死の遺体が発見されたそうだ。
俺は多分Aが見てたアパートだと思ってる。
Aが何かに招かれて
死体と遭遇してるんじゃないかとちょっと思ってるんだけど、
Aに憑いてるっぽい黒いのはなんだろうって思う。
近づくと鳥肌立つし、気持ち悪い、
吐き気がするくらいだった。
また見たらと思うと、月曜日にAと会うのがすげぇ怖い。

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