不思議で怖い話

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警備会社での体験

2018/10/07

大学の施設警備やってたんだけど、巡回業務が有るんだよ。
使っていない教室を点検したりとか、施錠されてるかとか、夜間巡回とか。
夜間の巡回中に本館から少し離れている研究棟の巡回をした時に、この時間だったらもう誰もいない筈なのに(入り口は施錠もされていた。)、中に入ったら、誰かいるんだよ。
中は薄暗くて顔もハッキリ見えないくらいで、おかしいなと思った俺はその人に
「どうしました?」
って声かけたの。
そしたらその人は俺を無視して階段を昇り始めたんだよ。
不審者だと思った俺は防災センターに無線で連絡して、そいつの後を追い始めた。
だいたい十五mくらい間を空けてずっと後をついていったら、そいつは階段を最後迄昇りきって屋上に出て行った。
屋上はいつも施錠されていて、外に出る時は絶対に鍵を開ける音がする筈なのに音がしなくて、おかしいなと思いつつも俺はそいつの後から屋上に出た。
そこで見たものは、柵(俺の顎くらいの高さ)の前にきちんと揃えて置かれた、男物の一足の靴と柵の向こう側に立っている男の背中だった。
で、そいつがいきなり消えたんだよ。
飛び降りたと思って驚いてそこに駆け寄って柵の隙間から下を見ると、地面には身体の中身を派手にぶちまけた人間が横たわっていた。
ここ迄はただの飛び降り発見で済んでたんだけど、後から変な話になってきたんだよ。
警察で俺は第一発見者として事情聴取を受けたんだけど、検死結果と俺の話が見事に噛み合わないの。
どういう事かと言うと、死亡推定時刻が、俺が発見する八時間も前だったんだってさ。
何度も警察にも説明したんだけど、俺は絶対に途中でそいつを見失ったりしてないんだよ。
そいつが消えたのも見てるわけ。
ただ、思い返してみると地面に衝突する音とかを聞いた記憶が無い。
そいつはその研究棟に入っている研究室に所属してる院生で、個人的な事情で随分前から悩んでいて精神科にも通院してて、事件性は無しって事で俺もそれ以上は疑われたりはしなかったけど、その後別の教室で首吊り自殺とか有ったりして、気が悪くなって警備会社自体辞めた。

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