不思議で怖い話

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潰れた廃病院で聞こえたナースコール

2018/07/02

今から7年前のことでした。
私は高校を卒業し、短大に通っていました。
短大に入学してから半年以上が過ぎ、友達の多くが自動車免許を取得していました。
私の友人も自動車免許を取得し、また父親のお古の自動車を譲り受けたことから、よくみんなでドライブをしていました。
ちょうどその頃は夏真っ盛り、テレビで心霊番組などが放映されている時期でした。
テレビに触発され、私達は地元の廃病院に肝試しに行くことにしました。
その廃病院は山奥にひっそりと建っていました。
廃病院といっても、移転しただけで管理が全くされていなかったわけではなく、門は施錠されていました。
しかし、その病院は既に心霊スポットとしてメジャーになっており、先人たちが施錠された門の横に抜け道を作っていました。
私達もその道を抜け、病院に入っていきました。
ひっそりとしていましたが、カーテンなどは残っていました。
もともとその病院は精神病院だったため、二階の窓が檻のようなもので覆われていたのが、とても印象的でした。
病院内に入ると、そこは荒れ放題でした。
心霊スポットとして有名だったため、既に多くの人が侵入し、荒らされている様子でした。
しかし、病院内には様々な備品が多く残っていました。
カルテはありえないでしょうが、白い紙のようなものが散乱していましたし、ストレッチャーなども廊下にポツンと取り残されていました。
そして、薄汚れた病院の壁には「ナースセンターはこちら」と赤いスプレーで文字が殴り書きされていました。
院内に入るまではノリノリだった友人達も、次第に口数が減っていってしまいました。
早くここを去りたいと皆思ったのか、最後に二階を覗いてから帰ろうということになりました。
しかし、二階への道はひとつしか開放されておらず、それは細く狭い階段でした。
階段をゆっくりゆっくりと上がっていき、見えたのはガラスの扉でした。
どうやら扉には掛かっているようでした。
ガラスの扉は一部分が破れており、そこから入ることは可能でしたが、危ないねと皆口をそろえて言うので、そのまま階段を降ろうとしました。
しかし、その時、確かにガラスの扉の向こうから音がしました。
今考えるとそんなわけはないのですが、その当時は、ナースコールのような電子音が聞こえました。
そして、その音が聞こえたのは私だけではなく、みんな聞こえたようでした。
そこからはみんながパニックになり、我先にと階段を降りました。
私は一番最後に病院を出たのですが、その際、ナースセンターの向こうに誰かがいたような気がしました。
それから私達は、もう二度と肝試しを行っていません。

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