不思議で怖い話

不思議で怖い話

本文の文字サイズ

ヤバイ物件

2018/05/19

自分がまだ、高校生の頃の話だが、親父の転勤の都合で、引越しをしなきゃならなくなった。
まぁ、俗に転勤族なんて呼ばれるくらい、転勤の多かった家庭なので、家を変えるのには慣れていた。
親父の転勤先は、幸いにも通っていた高校と同じ市内だったので、自分にとっては学校が近くなって嬉しい限りだった。(それまで、電車で片道1時間半はかかってた)
そんなわけで、新しい家を探しに、色々と物件を見回るんだけど、その中のひとつに、ヤバイのがあった。
外見は普通のアパートなんだが、見せてもらう部屋に入った時に、なんか奇妙な感覚を覚えた。
なんつーか、説明するのが難しいのだが、なんかヘンな感覚。
んで、オカンは大家に案内されて、リビングに向かったのだが、自分は、入り口から正面に見える和室が妙に気になった。
入ってみると、ものすごい湿気、なにかジメジメしていて、部屋も薄暗く不気味な感じがした。
丁度梅雨の時期でもあったので、それのせいかなぁ?とは、思っていたんだけど、その日も含めて、前日なんかも雨は降ってなかったし、晴天と言える天気だった。
しかも、行ったのは真昼間の明るい時間帯なのに、そこの部屋だけ妙に薄暗い。
まぁ、電気もないし、あまり日の当たる場所でもなかったから、こんなもんかなと思い部屋の中を見渡した。
すると、押入れがあるのだが、なぜか閉まっている。
「何で閉まってるんだろう?普通、開けとかないのかな。」
と思った自分は、その押入れを開けてみたのだが、その瞬間、ものすごいカビの臭い、とにかくカビ臭い。
「うわっ・・・・なんだこれ?」
と思って、たまらなくなって、その和室から飛び出した。
体に異変が出始めたのは、その後だった。
その後も、その時のカビ臭さが妙に鼻や喉にまとわりついて離れず、だんだんと、気分が悪くなってきて、家に帰る頃には、ついに吐いてしまった。
それで、頭もぼーっとしてきたので、熱でもあるのではないか?と心配されて、体温を測ってみたところ、なんと、40度以上の高熱が出ていた。
こりゃイカンと、さっそく病院につれていってもらったのだが、たいした事は解らず、薬だけもらって帰ってきた。
もう、フラフラで動けない状態なので、布団に寝かせてもらい、薬を飲んで、その日はとっとと寝ることにした。
ところが、翌日になっても、一向に熱が下がる事は無く、自分の意識もだんだんと薄れてきた。
ここからは、治ってから聞いた話だから、その時に洒落にならんわ、と思ったんだけど、その後、別の病院に行っても、原因は解らず、とにかく病状だけが悪化していった。
もう気持ち悪くて飯も食えない、その前に意識がほとんど無い状態にまで陥って、両親も、このままではヤバイと思っているときに、知り合いの霊感のある人から、
「Sちゃん(自分ね)大丈夫?なんか感じたから・・・」
といった、電話が来たそうだ。
んで、相談して見てもらったら、どうやら女の人を連れてきてしまったらしく、その人が、自分を連れて行こうとしていたらしい。
その人は、忙しいので、こっちに来る事は出来なかったのだが、とりあえず、
「うちでは、どうすることもできない」
ということを伝えた方がいいと、言われたそうな。
それで、その夜、オカンが寝室で寝ていると、なにやら部屋の中に気配を感じて、ふっ、と目が覚めたらしい。
それで部屋の中を見回すと、白い着物を着た女の人が、部屋の隅っこに立ってたんだって。
オカンは、この人か、と思い、
「すみません、うちでは何もしてあげられません。どうぞお帰りください」
ということを言ったらしい、
すると、女の人は、すーっと消えるようにいなくなり、オカンも眠くなって、そのまま寝てしまったとの事。
翌日、いままでの症状が嘘のように、自分は元気になって、なにもなかったかのように、体も動くし意識もはっきりしていた。
自分でも、不思議だったのが、特に気に止めもしなかった。
その後に、実は・・・といった感じで、その女の人の話を聞いたのだが、その時は、まぢでゾーッっとした・・・
詳しく聞くと、やはりあのカビ臭い部屋がいけなかったらしい、
自殺かなにか分からないけど、確実に死人が出ていると言われた。
あまり幽霊なんかは、信じないのだけど、この時ばかりは、恐怖したね。

にほんブログ村 2ちゃんねるブログ 2ちゃんねる(オカルト・怖い話)へ

よろしければ応援お願いシマス

怖いコミック

  • 種落とし村〜掟は強制ハーレム〜
  • 女しかいない村に、男は俺1人だけ――大学生の佑太は恋人の千緒とドライブデートをしていたが、道に迷ってしまい‘カミカクシ峠’という集落で1泊することに。困っていた佑太たちは旅館を営...
  • たちよみ

怖い映画作品

  • 怪奇蒐集者 安曇潤平
  • 「怪談」の原点に徹底的にこだわった実話怪談トークシリーズ第3弾「安曇潤平」編。この世の怪異を追い求め、それを紙面に残すことを生業とする怪談作家・安曇潤平。迷い込んだ日本家屋で...
  • 2014年 / 安曇潤平 蜃気楼龍玉

怖い作品

怖いキーワード