不思議で怖い話

不思議で怖い話

本文の文字サイズ

ペットボトルのお茶を飲む美少女

2024/07/05

当時俺は電車通学をしていた。
時間に余裕のあるときは乗換駅の近くにある店に寄って軽く食べていってたんだが、ある時その店の一番奥の席に可愛い子が座っていた。

その子はぱりっとした襟の制服を着ていて、胸までの黒髪と白い肌、くっきりした二重まぶたの綺麗な子だった。
それから彼女はいつも決まった時間にその場所にいて、見慣れない銘柄のペットボトルのお茶を飲んでいるようになった。

彼女はペットボトルのお茶を本当に美味しそうに飲んでいた。あれ位ペットボトルのお茶を美味しそうに
飲む人間は、後にも先にも見たことがない。
(そのお茶、当時探してみたんだけど、何処にも売っていなかった)

俺はその子に会うのが楽しみで、いつしかその店に毎日寄るようになっていた。
当然、声なんてかけられなかったんだが。

ある日いつものようにその店に行くと、いつもの場所に彼女がいなかった。
代わりに、その席に彼女がいつも飲んでいるペットボトルのお茶があった。

俺はいけないとは思いつつ、そのペットボトルを手にとってしまった。
すると、ペットボトルの中で何かがうねうねと蠢いている。

何だろう、と思って顔を近づけてみると、お茶の中に沢山のイトミミズやボウフラやらがうねうねと蠢いていた。
何やら変なかけらまで浮いている。
ペットボトルのラベルには、賞味期限 96.5.22 と書かれていた。
気味が悪くなってペットボトルを元の場所に戻し、立ち去ろうとして向き直ると
そこに彼女が立っていた。凄い目で睨みながら。

「見たわね」
そう言う彼女の口の周りで何かがうねうねと蠢いていた。
俺はそのまま走って店から逃げた。二度とその店には行っていないし、彼女にも会っていない。
もし明日あの店に行けば、今でも彼女はあの場所にいるんだろうか。

にほんブログ村 2ちゃんねるブログ 2ちゃんねる(オカルト・怖い話)へ

よろしければ応援お願いシマス

怖いコミック

  • ガンニバル 完全版
  • 疾風怒涛の因習村サスペンス、累計400万部突破の大ヒット作!!これで、全てが終わる。後藤家、供花村、そして阿川。それぞれが辿る命運、決着とはーー。 全編大幅加筆、カラーページ再現...
  • たちよみ

怖い映画作品

  • 怪奇蒐集者 西浦和也
  • 「怪談」の原点に徹底的にこだわった実話怪談トークシリーズ第5弾「西浦和也」編。「北野誠のおまえら行くな。」シリーズの企画・構成を手掛ける怪異蒐集家・西浦和也。現代の怪奇実話を...
  • 2014年 / 西浦和也 蜃気楼龍玉

怖い作品

怖いキーワード