不思議で怖い話

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すなしろさま

2019/05/30

自分の小学校にしかない怪談かもしれないが、
『すなしろさま』って知ってる奴いない?
自分の学校の砂場は、赤い大きな鉄棒の前にある。
その鉄棒を鳥居に見立てて、お参りをしてからくぐって、
砂場と鉄棒に背を向けたまま、
「すなしろさまさがさんせ、うせものひとつてらさんせ」
とか、そんな感じの呪文を唱えて、十円玉を砂場に投げ、
その十円玉をちゃんと見つけれたら、探し物が見つかる。
と言う噂で、上級生が迷子の猫を見つけたとか、
財布を見つけたとか、噂が噂を呼び、
クラスの男子は信じる派と信じない派にわかれて、よく盛り上がってた。
信じる派の意見では、
『すなしろさま』を本当に信じていないと探し物は見つからないから、
見つからなかった時は信じてないのが悪い、と言う事だったと思う。
すなしろさまブームも過ぎたある日のこと、
信じない派のA君が学校に連れてきた妹が、
A君と自分を含む友達4、5人で遊んでいるうちに、どこかに行ってしまった。
みんなで手分けして探しても見当たらず、日が暮れ始めたころ、
突然思い出したようにA君が、
「すなしろ様の所で聞いてみよう」
と言い始めた。
みなおどおどしながらもついていって、
鳥居にお参りしたところで、十円玉をもって無いことに気がついた。
誰か持ってないかとか話してると、
A君が鉄棒の脇に十円玉が落ちてるのを見つけて、それを拾った。
「かわりがあってよかった」
「きっと誰かが見つけれなかった十円玉だろう」
「早くやろうよ」
なんて事を友達みんなで言ってたが、
A君だけ深刻に何かを考えてるみたいだった。
唐突にA君が自転車に飛び乗り、
「いく所があるから先に帰って!」
と言い残して走り去った。
その異様な様子に驚いて、
自転車で追いかけたB君以外の全員がその場に残され、
わけもわからず家に帰った。
後日、B君の話では、A君が目指した近所の小さな神社の鳥居の下で、
A君の妹は膝を抱えて泣いていたそうだ。
A君は鳥居の下で十円玉を見つけたから、きっとここだと思ったらしい。
自分たちが高学年になるころ、鉄棒はペンキで青く塗りなおされてしまい、
以来『すなしろさま』の話を聞いたことが無い。

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