不思議で怖い話

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すごく勉強できる真面目君

2019/05/28

怖いというか気味の悪い話。
俺の従兄弟で『てっちゃん』という、
すごく勉強できる真面目君がいた。
てっちゃんは体格はぽっちゃりしてるが、
物静かで温和で、学校でもみんなから信頼されてたと聞いた。
うちの親族はみな大学まで出てる奴など少数で、
不良とか悪い奴はいないけど、
まあ頭の出来の悪い家系だった(笑)。
そんななかでてっちゃんは、
学校ではいつも1番!
親御さんも熱心でわざわざ東京の塾まで通わせて、
模試なんかでも塾の学費が免除になるくらい
勉強ができたらしい。
で、てっちゃんが18の高校3年になった時のこと。
俺は前年に某日大を出て冴えないリーマンになりw
正月、ひさしぶりにてっちゃんに会った。
高2の時から「塾で忙しい」と
本家にすら集まらなかったてっちゃんの一家が、
何故か一番重要な高3の正月は本家に訪ねて来たのだった。
しかしまあ特に俺は気にせず、
「大きくなったなぁてっちゃん。
来年は東大か?医学部か?」
と少し回りにウケを狙いつつ聞くと、
「いいえ。人類は滅びるのに
東大なんて行ってもどうしようもないですよ」
良い感じにビールが入っていた俺も、
一瞬で空気が変わったのを察した。
そういえば、テーブルを囲む親族も、
てっちゃん一家が来てからぎこちない。
というか、
てっちゃんのご両親こんなに老けてたっけ?
ってくらいやつれてる。
今一度よーくてっちゃんの顔をのぞくと・・・
まあ、今だから呆れて話せるが、
完全に『逝って』いた。
その後、長々とてっちゃんの演説が続き
ビールもすっかり抜けたのだが、
要点をまとめるとこんな感じだった。
1、市民会館で自分の人生を変えてくれる人の話を聞いた。
2、1999年(このとき1997年の正月)に人類は滅びるらしい。
3、てっちゃんは日本人を救える存在である。
完全にあっち系のセミナーにやられたなと推測できたが、
親族に重苦しい空気を残したまま、
てっちゃん一家はそのまま帰ってしまった。
ご両親の表情が居た堪れなくて、
胸に突き刺さるような気分だったのを
今でも覚えている。
ちなみに、てっちゃんはその後大学には進学せず、
留学したとしか聞いてないな。
てっちゃん一家も引っ越してしまい、
身元も分からなくなってしまった。
20世紀少年のような薄気味悪さを残した失踪でした。

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