不思議で怖い話

不思議で怖い話

本文の文字サイズ

黒い人影

2019/02/13

この話は俺が中学の頃聞いた明治か大正時代の話。
ある大きなお店に丁稚として働いていた延松という人がいた。
延松は真面目に働いて
おかみさんや主人から可愛がられていた。
ある日、盆も近いということで
延松に休暇をやり
帰省させることにした。
延松も喜んで
おかみさんや主人に礼を言い
自分の実家に帰省した。
その夜の事。
店もしまい昼の疲れもあってか
おかみさんは床につくと
いつのまにかすやすやと寝入ってしまった。
しかし、おかみさんは
急に夜中に目が覚め
胸騒ぎがしてたまらない。
目の前の空間は
自然と右手の廊下を仕切っている障子に行き着き
ずっとそれを凝視していた。
すると音も無く
すーっと障子が開き
なにやら黒い人のような形をしたものが
部屋に入った。
黒い人影は
すすーっとおかみさんの寝ている布団をぐるりと回り
おかみさんの上半身あたりで止まった。
そして
「延松が死にましたーー。」
とこの世のものとは思えない低い声で
おかみさんに言うと、
来たときと同じように
すすーっと音をたてずに
廊下のほうへ去っていった。
その後2時間おきくらいに
その黒い人影はやってきて
「延松が死にましたーー。」
と言ってきたという。
夜が明けおかみさんは主人にそれを報告し、
すぐに延松の帰省先へ使いをやった。
その後、延松の遺体が
実家近くの崖の下で発見されたという。

にほんブログ村 2ちゃんねるブログ 2ちゃんねる(オカルト・怖い話)へ

よろしければ応援お願いシマス

怖いコミック

  • 鬼ゴロシ
  • 迎えた滅絶の14日、強行された新条祭り。騒乱の規模は加速を極め、遂には巨大な火災旋風が市民と街を飲み込んでいく。 失う物の無い春原は、新条全てを道連れに己の最高潮を仇敵と共有し問...
  • たちよみ

怖い映画作品

  • 怪奇蒐集者 西浦和也
  • 「怪談」の原点に徹底的にこだわった実話怪談トークシリーズ第5弾「西浦和也」編。「北野誠のおまえら行くな。」シリーズの企画・構成を手掛ける怪異蒐集家・西浦和也。現代の怪奇実話を...
  • 2014年 / 西浦和也 蜃気楼龍玉

怖い作品

怖いキーワード