不思議で怖い話

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かくれんぼ

2018/07/12

昔俺が住んでたところはいわゆるベッドタウンで交通の便が良い住宅街だった。
しかもモデル地区と呼ばれるやつで、100メートルおきくらいにでかい公園があって、子供が遊ぶには友達にも場所にも困らない最高の地区だった。
ある夕方、自宅近くの公園でみんなと遊んでいた。
季節は忘れたけど夕日でまわりが赤くなるような時間帯。
かくれんぼしようってことになったんだけど、俺は昔からじゃんけんが弱くて、いつも最初の鬼は俺だった。
けど見つけるのは得意だからどうせすぐに交代できるしそれほど嫌だとも思ってなかった。
その日もまず俺が鬼になってみんなが隠れる。
数え終わって探し始めると、一番下手なやつをまず見つけた。
俺はいつもそいつと手を繋ぎながら他を探しまくる。
だけどその日に限って全然みつからない。
二人で途方にくれながら探すんだけど、どんどん日が落ちてきた。
先に見つけたやつは年下だったからとりあえず帰してやらないと、と思って手を繋いだまま途中まで送ってやった。
一緒に帰ろうって言われたけど、みんなを探すから、と言って公園に引き返した。
すると、さっきまで誰もいなかった公園に友達とその親がたくさんいて、みんなで俺を探していたというのだ。
俺が離れたのはほんの数分なのに、なぜかずーっといなくなってたことになってる。
先に見つけた子と一緒に探してたって言ったら、みんなその子のことを知らないと言い出す。
そんなはずはない。
いつも一緒に遊んでるんだから。
じゃあ名前を言ってみろって言われるんだけど、その時になって俺はその子の名前も顔もわからなくなってしまう。
度忘れしたって言っても誰も信じてくれなくて結局俺はうそつき呼ばわりされ、親にもめちゃくちゃ怒られた。
次の日から、そいつはぱったり来なくなった。
あいつさえ来れば証明できるのに、っていう腹立たしさと同時に、もしかしてあいつは神隠しにあったんじゃないだろうかって思うようになってた。
それから俺は一度もかくれんぼをしなくなった。
また誰か消えちゃったら困るから。
けど、最近もしかして俺自身が神隠しにあいかけてたのかな、と思うようになってる。
あいつは本当に俺の友達だったんだろうか?

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