十時坊主
2019/07/22
20代の頃の事、群馬生まれの男がバイト先に来た。そこでの俺は勤務年数長かったので、やって来るバイトに、仕事の振り分けや作業の流れの指導など、仕切りをやっていた。ふと休憩時間に、群馬から流れてきた男の、身の上話を聞くようになった。実家が養蚕をやっていた大きな…
2019/07/22
20代の頃の事、群馬生まれの男がバイト先に来た。そこでの俺は勤務年数長かったので、やって来るバイトに、仕事の振り分けや作業の流れの指導など、仕切りをやっていた。ふと休憩時間に、群馬から流れてきた男の、身の上話を聞くようになった。実家が養蚕をやっていた大きな…
2019/07/21
本にまつわる話。古本屋をよく利用している私ですが、たまにはホラー系恐怖漫画も読んでみようかなという、軽い気持ちが始まりだったんです。郊外のある系列の古本屋で本を買って家に帰ってから、上手く言い表せないんですが、ちょうど急に両肩がずしりと重く感じるようになったんです…
2019/07/20
少し長くなりますが、数年前の体験談を書きたいと思います。私の実家は雪国なのですが、盆地のせいで夏場は熱がこもり、夜はかなり暑くなります。田舎な上にネットやゲームもない環境だったので、私は退屈していました。時間は夜の10時を少し回ったころです。家の周囲が…
2019/07/19
1958年4月1日午後6時半頃、旧宝塚劇場で行われていた花組4月公演『宝塚春のおどり・花の中の子供たち』の公演中、月組の香月弘美が死亡した。せり出し装置(舞台下から出てきたり、逆に舞台下に消えてゆく仕掛け)のシャフトに彼女が着ていた衣装の裾が挟まれ、ス…
2019/07/18
俺は霊とかあんまり信じてないんだが、所謂妖怪ってのはいると確信している。今まで俺が妖怪を見たのは人生で2回だけ。その内の1回をちょっと書いてみようと思う。当時俺は小学5年生だったかな?祖父がガンで死んでしまったので、急遽東北のド田舎に帰る事になった。お…
2019/07/18
高校のとき仲の良い友人が「週末、家に泊まらない?」って誘ってきた。「親もいなしさ、酒でも飲もーぜ」って。特に用事もなかったけど、俺は断った。でもしつこく誘ってくる。「他をあたれよ」って言っても、なぜか俺だけを誘ってきた。あまりにもしつこいので、「なぁ、お前一人…
2019/07/17
私が大学へ通うため東京都下の某市で独り暮らしをしていた頃の事。ある晩、バイトを終えた私は、TVで観たい映画があったため、駅から自分のアパートまでの道を急ぎ足で歩いていました。自分が住んでいたのは郊外の寂しい丘陵地帯だったので、夜9時近くともなると道行く人も…
2019/07/17
6年ほど前の話。一人暮らしをしているマンションに妹が遊びに来た。大学から帰り、コンビニ弁当を食べながらテレビを見ていた時の事だった。おそらく午後8時くらいだっただろうか。会話は少なめだったが、ソファーに並んで座りテレビを観たりしながら、兄妹の何気ない時…
2019/07/16
これは何年か前、当時所属していた中隊の先輩から聞いた話。間もなく昭和の時代も終わろうとする夏。先輩は輸送班に臨時勤務中で、休日の広報業務支援のため土曜の夜に一人、営内で残留していたそうな。翌日は早朝からの運転業務のため、酒も飲まず早い時間からベッドに入…
2019/07/16
中学3年の時、同じクラスになったNと言う女の子と仲良くなりました。おっとりして優しくて、女の子らしい良い子でした。普段は物腰柔らかく笑顔を絶やさないNでしたが、何故か水道を前にすると怯えた表情になり、口数も少なくなるのです。水道から出る水と水道その物が苦手であって…
2019/07/16
自分はある時期、あることをきっかけに怖い夢しか見なくなりました。もう十何年も怖い夢を見てきたせいか、夢であまり恐怖を感じなくなりました。怖い夢を見る毎日だったので、小さい頃に不眠症になりました。熟睡した記憶が何年もありません。早い段階で社会不適格者になったわけ…
2019/07/15
僕の町内には「アーちゃん」という人が住んでいた。アーちゃんは年中、肌色の肌着と肌色のモモヒキを身に付け、パンクしてホイールの歪んだ自転車で町を走り回る、人畜無害の怪人だ。年齢は僕が小学生のときで6、70歳くらい、試合後のボクサーみたいな顔をしている。いつも…
2019/07/15
それは今から20年程前、都内に住んでいた時の話です。私はしょっちゅう同じ女の人とすれ違っていました。朝は仕事で決まった道を急いで行くのですが、帰りはその日の気分でいろんな道を通って帰っていました。女の人は黒髪のショートで少し色黒で、主にスカートを履いていた…