不思議で怖い話

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雨乞いの呪文

2019/06/10

数年前のこと。
電車の荷棚に誰かが置き忘れたらしい一冊の単行本が目に入り、
目的の駅につくまで暇だったもので、
なにげなくその本を手にして読んでみた。
タイトルは今は覚えていないけど、
たしか禁断の呪文のなんたらと書かれた本。
中には、恋がかなうとか、受験で合格するとか、
いろんな呪文が書かれていた。
興味が出て、駅に着いてもそのままその本を持って出た。
休みがてら公園のベンチに座り、
その本をパラパラっとめくっていると、
雨乞いの呪文というのが目にとまった。
そういえば数日間まったく雨が降らず、
その日も快晴で青空が空一面に広がっていた。
じゃあ試しにコレでもと思い、
そこに書かれた雨乞いの呪文というのを唱えてみた。
すると、今まで快晴だった空にみるみるうちに真っ黒な雲が広がっていき、
辺り一面が昼とは思えないような暗さになり、雷まで鳴りだした。
そしてザァーッとものすごい豪雨。
公園の屋根のあるところに避難し驚いていたのだが、
30分ほどすると、ものすごい勢いで降り続いていた雨はピタッと止み、
空を覆っていた黒雲もサーッとどこかに消え去って、
またさっきまでのような快晴の空に戻った。
この呪文の効果なのか?それとも偶然?
あっけにとられていたのだが、
もしも本の呪文が本物だったらという思いもあって、
帰りの電車の中でも、いろいろな呪文が書かれているのを見ながら、
金持ちになれる呪文とか唱えたら・・・とニヤニヤしながら帰宅。
いざ、家に帰ってカバンの中を探してもあの本が無い。
もしかしたらあの電車に置き忘れてしまった???
そういえば、意志に反して電車の荷棚に読んでいた本を
置いてしまったような気もする・・・
数日後、その日も晴天だったのだが、
急にまたあのときのように空が真っ暗になり、
30分ほど豪雨が降り続いたあとピタッと止んで快晴の空に戻った。
ああ、きっとあの本を拾った誰かがまたあの呪文を唱えたのだろうな、
と思うようになった。

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