不思議で怖い話

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深い穴

2019/05/14

小学校低学年の時、
仲の良かったK君と
近所の工事現場で遊んでいました。
下水管を配管するための工事だったらしく、
深さ3メートル、横幅2メートル、
長さ10メートルくらいの大きな穴があいていて、
その上に幅30センチくらいの横板が2~3本渡してありました。
その穴を私が恐々覗き込んでいた時、
K君はふざけて私の背中を軽く押しました。
その行為がかなり頭にきてしまい、
K君が覗いた時に、
私は彼の背中を強く押しました・・・
K君は穴の中に落下して、動きません・・・
呼んでみても返事がありません・・・
私は頭が混乱して、
泣きながら家まで走りました。
家に着くなり母親に向かって泣き叫びました。
「K君が穴に落ちちゃった!」
と・・・
母親は私を連れ工事現場まで走りました。
穴の中には横たわったままのK君が・・・
それから後はよく覚えていませんが、
救急車やパトカーが数台きました。
近所の人もたくさん集まってきました。
警察や親を含めた数人の大人に
「どうしてK君は穴に落ちたの?」
と聞かれました。
私は
「K君が横板を渡ろうとして落ちた」
と答えました・・・
怖くて怖くて嘘をつきました・・・
数日後、K君は息を引きとりました。
詳しく説明されませんでしたが、
落下時に頭部を強打したことが原因だったらしいです。
K君のお葬式にも行きました。
K君の父親は涙をながしながら私に向かって、
「Kと仲良くしてくれてありがとう。
Kは天国に行っても○○ちゃんのことを絶対に忘れないから、
○○ちゃんもKのことを絶対に忘れないでね」
と・・・
その途端、私は泣き出しました。
周りの大人は、K君の死を悲しんで
私が泣いたと思ったみたいですが・・・
その時の私はK君の父親のセリフが、
『Kは○○に殺されたことを忘れない、
○○もKを殺したことを忘れるな』
と言う意味に聞こえ、
恐怖のあまり泣き出したのでした。
泣き続ける私は
母親に抱きかかえられながら家に帰りました。
それから数日間、
学校を休んだ記憶があります・・・
その事件に付いては、
その後誰も口にしません・・・
みな私のことを気遣ってくれたのでしょう。
今でも時々K君の夢をみます。
いきなり後ろから
誰かに背中を突き飛ばされます・・・
私は深い穴に落ちます・・・
穴の中から上を見上げると、
K君がじっと私をみつめています・・・
そこで必ず目が覚めます・・・
K君はいつになったら
私を許してくれるのでしょう・・・

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