不思議で怖い話

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ベンチに座る老人

2019/04/19

今年の夏の話です。
雨がよく降る火曜日、その日は代休で、久々に平日をゆっくり過ごしていた。
妻はパート、子供達は学校。
久しぶりの一人の時間に何をしていいやら判らず、取りあえず外へ出てみた。
家の前を一人の老人が横切って行った。
それを見たとたん、車で出かけようと思っていたのだが、
なんだか外を散歩したくなった。
平日の昼間・雨の中・誰もいない道路。
このキーワードがとても懐かしくなり、傘をさして歩き出しました。
ブラブラ歩いていると、目の前には小さな市電駅。
それも懐かしく思い、駅に入ってみた。
誰もいないホームに雨の音…
私は電車に乗りたくなり切符を買った。
行くあてなんて無かったので、
とりあえず駅3つ先の実家の駅まで行こうと決めた。
ホームのベンチに座り電車を待っていると、
向かいのホームに先ほどの老人と思われる方が座っていた。
気にもとめずぼーっと、電車を下りたら母校まで歩こうかなーなんて考えていた。
ふと左横を見ると、向かいにいたはずの老人が横のベンチに座っていた。
向かいのホームとこちらのホームを繋ぐ陸橋は私の右側。
誰も横切ってはいないはずなのに、そこには老人が座っていた。
とても怖いはずなのに、何故か私は怖くは無かった。
それどころか気にもとめていなかった。
まるで不思議な事ではないように…
田舎の電車は、平日の昼間なんて一時間に一本。
なかなか来ない。
また横を見てみた。
誰もいない…あれ?っと思い右を見ると、私のすぐ右隣に座っていた。
さすがに驚いた。
驚いたんだがそれよりも、その老人が誰かに似ていた。
あれ?だれだっけ??
なんて真剣に考えていた。
そんな中電車が来た。
私は電車に乗ったが、老人は乗ろうとしなかった。
次の電車に乗るんだろうと思い気にとめず、
私は電車の中で誰だったか考えていた。
考えて考えて、二つ目の駅でやっと思い出した。
4年前亡くなった親父だった。
何故すぐに思い出せなかったのか不思議だ。
あの時の空間には、不思議な空気が確かに流れていた。

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