不思議で怖い話

不思議で怖い話

本文の文字サイズ

人型のシルエット

2018/12/10

よく晴れた日だった。
とても穏やかな陽射しに、
ここのところの鬱状態から脱却出来そうだった。
自分の部屋の窓は、
サッシと障子戸の二重になっているのだけど、
いつも閉めきっている。
その日もいつもの様に閉めきっていて、
障子からは柔らかな光が射し込んでいた。
気分が良くなり、歌を口ずさんでいると、
裏の家の窓の開く音が響いた。
ガラガラガラ、と。
すると、何か、物音がする。
天気もいいし、布団でも干すのかと思った。
しかし、物音は近くなってくる様な・・・
ふと、窓を見ると、
柔らかな光と共に目に射し込んできたのは、
人型のシルエット。
その人影は網戸を開けた。
そして、サッシを開けようとしている。
掌を張り付け、
スパイダーマンの様なシルエット。
ただ、そこにいるのは正義のヒーローではない。
恐怖で混乱し、
取り敢えず家族を部屋に呼んだら、
人影は消えていた。
そして、家族が屋根へ出て様子を見に行ったら、
人影は逃げる様に低姿勢で裏の家の方へ戻っていった。
早朝に窓を開けてみた。
サッシには露がおりていた。
手形がべっとりとついた所以外。
自分の被害妄想ならば、
どんなに良かった事か。
朝食の際、警察に通報するか否かで、
簡単な家族会議をした。
実害が無いのと、
色々と面倒臭いという理由で、
通報はやめた。
ご近所には一応、一部始終を話した。
今はただ、気持悪さで一杯。
自分の部屋にもいたくない。
そして、少しの物音でも気になり、
留守番をする時も気が気でない。
霊的なものより、生きた人間の方が怖いと思った。

にほんブログ村 2ちゃんねるブログ 2ちゃんねる(オカルト・怖い話)へ

よろしければ応援お願いシマス

怖いコミック

  • 変な家
  • 「そして儀式が始まる一年前、あの計画を実行に移したのです」柚希の母・喜江は’家’の過去を語りだした。いまだ片淵家の子孫を縛り続ける、呪われた「左手供養」――。愛する綾乃を救うため...
  • たちよみ

怖い映画作品

  • ノロイ
  • 『呪怨』の一瀬隆重がプロデューサーを務めた異色ホラー。怪奇実話作家・小林雅文が呪いをテーマにしたドキュメンタリー映像を残したまま姿を消す。その映像には世にもおぞましい様々な恐...
  • 2005年 / 小林雅文 松本まりか 矢野加奈 堀光男 高樹マリア アンガールズ

怖い作品

怖いキーワード