不思議で怖い話

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いっちゃん

2018/12/04

妹のこと。
妹が5歳、自分が7歳のとき、伯父が遊びにきた。
伯父をみるなり妹は、
「がしゃーんがしゃーん、イタイイタイの伯父さん」
と言いだした。
伯父も両親も俺も(゜д゜)ポカーン。
そして伯父の右手をつかんで、
「あれぇ?お指あるね」
とも。
伯父が工場の機械に挟まれて、右手の指二本切断したのは、その翌月だった。
こういうのは妹には珍しいことじゃなく、
近所の寝たきりのお爺さんが死ぬ数日前も母に、
「○○のお爺ちゃん(寝たきりの人)のお葬式で、ママが黒い服着るのをみたよ。
途中で雨ふってきて濡れちゃったの」
と見てきたように言い、実際に葬式の途中で雨が降ってきて、母がびしょ濡れになった。
これらのことは自分で知るのではなく、
よく遊ぶ『いっちゃん』というお友達が教えてくれるらしい。
いっちゃんというのは妹の想像上の友人で、よく二人で遊んでいる。
(周りからみると一人遊び)
ただ、想像上とはいえ妙なことは多々あり、
奥の部屋から子供二人の笑い声が聞こえて、覗くと妹しかおらず、
「誰かいた?」と聞くと、「いっちゃん」と答えたこともあった。
また、妹が泣きながら
「いっちゃんを怒らせたら玩具を隠された」
と言うので、
妹の言うとおり天袋を母親にのぞいてもらったら、
奥のほうから妹のおもちゃが出てくることもあった。
(その他、タンスの裏や上などもあった)
どちらも妹の手が届く範囲ではなく、2歳上の俺でも無理な場所だった。
いっちゃんの特徴はというと、
「10歳くらいの女の子」で「色白で可愛い」らしい。
ただ「怒らせると怖い」と言い、怒るとどうなるのか?と聞いたら、
「目が真っ白になって頭が膨れる」と、妙な表現をした。
妹が10歳の時、
「いっちゃんを怒らせた」
「いっちゃんが消えた」
「もう許してくれない」
と泣きじゃくったことがあった。
何をしたのか聞くと、
「いっちゃんが一緒にいこうと言ったから、嫌と言ったら物凄く怒った」
と言われた。
そして、
「じゃあ、一緒じゃなく、お前が一人でいけ」
と怒って消えたらしい。
数日後。
妹が高熱を出し入院し、医療ミス(と俺は思ってる)で死んだのは2ヵ月後。
妹が死んだのといっちゃんとの関係はわからないけど、
死ぬ数日前、「部屋の隅っこにいっちゃんがいる」と泣きながら訴えてた、
妹の顔は忘れられない。

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