不思議で怖い話

不思議で怖い話

本文の文字サイズ

鬱病の兄

2018/11/13

うちの兄は鬱病になって、大学を何とか卒業したはいいが現在家で1日中ぼーっとしている。
何を考えてるのか良く分からないし、動きもすごく遅くてはっきり言って気持ち悪い。
というか怖い。
そんな兄と両親と暮らしている。
ことが起こったのはある深夜のこと。
いつも俺が夜のバイトを終えて帰ってきた時にはすでに両親と兄は寝っている。
その夜も例外ではなくみんな寝静まっていて、俺もそのまま床に就いた。
ちなみに兄と両親は同じ部屋で寝ていて、
俺はその隣の部屋で寝ていて仕切りの障子は開け放してある。
で、しばらくうつらうつらしていると誰かが起き出しトイレに行った。
足音で兄だと分かった。
まあそんなことは良くあるし気にもしていなかった。
そしてしばらくすると兄が帰ってきて、俺は薄目を開け見るともなしに兄の動きを見ていた。
兄は寝室に入りゆっくりと床に向かう…と思った瞬間、物凄い速さで音もなくこちらへ迫ってきた。
兄の顔がぴったりと俺の目の前で静止し、俺が「あっ」と思った瞬間にはもう動けなかった。
それと同時に聴覚への刺激があった。
兄の声だ。
何かをぶつぶつと、聞き取れないほど小さな声で言っている…
それはお経だか呪文だか、なんの抑揚もない不気味な調子で、
とてつもない恐怖を感じた。
なんだか分からないがそのまま聞いていると気が狂いそうな感覚に襲われたのだ。
このままじゃやばい、そう思った。
体を動かそうとするがまるで体に筋肉がないかのようにまったく動かない。
声を出そうとしても蚊の鳴くような声で「あー」だか「うー」だかしか出ない。
焦りながらもう一度体を動かそうとすると開放されるかのように体が動き声も出た。
兄はもう俺のそばにいなくて、布団に入るところ。
半分狂ったようになりながら「兄ちゃん、今何かしただろ」と繰り返す。
兄は「何も…」と言うだけ。
恐怖に襲われながらも、すぐに寝入ってしまってその日はなにもなし。
あれから1週間たつがあのときのあの声が今でも忘れられない、まるで俺を呪い殺そうとするような、
じわじわと生気を奪われそうな不気味な声だった。
あの日から兄の無表情の裏に物凄い殺意が潜んでいるような気がしてならない。
最近は寝ても寝ても疲れが取れないし、なんかノイローゼ気味。
車に乗っていても気がついたらぼーっとしていて、1日に1回は急ブレーキを踏んでしまう。
なんだかこのままじゃ本当にいつか死んでしまいそうで…
考えすぎだろうか…

にほんブログ村 2ちゃんねるブログ 2ちゃんねる(オカルト・怖い話)へ

よろしければ応援お願いシマス

怖いコミック

  • 俺のワクチンだけがゾンビ化した世界を救える
  • 自宅にひきこもる及川優は21歳にして童貞で死ぬことが確定してしまった。なぜなら、世界中がゾンビで溢れる世界になってしまったから……。そんな優の自宅に一人の生存者が訪れる。サニーと...
  • たちよみ

怖い映画作品

  • オーディション (ブルーレイディスク)
  • 村上龍の原作を三池崇史監督が映画化したカルトホラー。7年前に妻を亡くし、ひとり息子と暮らす青山を案じた友人は、再婚相手を探すオーディションを提案する。応募してきた麻美に青山は...
  • 2000年 / 石橋凌 椎名英姫 松田美由紀 大杉漣

怖い作品

怖いキーワード